コロナ禍で9本のサービスをリリースして見えてきたこと 〜事業撤退と2021年のDXフォーカス〜

新年あけましておめでとうございます。DATAFLUCT代表の久米村隼人です。最近はてんやわんやでなかなか情報発信ができなくなりました。

ここで、2020年はコロナ前・コロナ禍でDATAFLUCTだけでも9本サービスをローンチしてきました。その仮説検証の内容とピボット(選択と集中)について発信しておきたいと思いました。

目次

1.コロナ禍で9本のサービスをリリースしてみた

2.DATAFLUCTはどんな会社か

3.事業撤退DXフォーカス

4.まずは、マルチクラウド AutoMLにフォーカス

1.コロナ禍で9本のサービスをリリースしてみた

2020年のはじめから9本の自社サービスをDATAFLUCTでローンチしました。2月〜11月ごろにかけて連続的にローンチしてきました。サービス開発ってやると決めてから約6-9ヶ月くらいでプロダクトローンチまでいきます。市場調査をしてインタビューをしてモックアップを作ってデータを仕入れて、デザインをして、開発をして、公開をして、セールスをしていくという流れです。

以下が9本のサービスのプレスリリースです。

  1. AI商圏分析による事業用物件検討サービス「DATAFLUCT marketing.」 / DATAFLUCT

とても反響が多かったものから、無風だったものまで幅広く、様々な業界の方からフィードバックをいただけました。

今回のプロダクトリリースの狙いは三つありました。

1.AI技術の獲得

自らAIサービスを開発することで、データと知財を満遍なく獲得できることでした。実は、空間認識、AR、(主に衛星)画像解析、エッジAI、AI-OCR、ビッグデータ解析、自然言語処理、ダイナミックプライシング、そして、コア技術である機械学習などの多くの実績を積むことができました。この経験によって強いチームになれました。

これらの技術を獲得したことによって、他の会社と闘える領域はどこなのかが見えてきました。

2.DX案件の獲得

それぞれに産業に特化したAIサービスを投下することで、各産業へのDX案件の獲得につながりました。プロダクトのリリースのプロモーションだけであるにもかかわらず、想定以上に多くの会社から連絡をいただけました。すなわち、プロダクトローンチ→DX案件の獲得という不思議なトラクションを生み出せました。

SaaSというよりも、DX案件の獲得のしかたのコツがつかめました。

3.SaaS事業仮説の検証

SaaS事業として立ち上げる可能性を見極めることでしたが、大いに失敗しました。コロナ禍において、データサイエンスSaaSの事業化はとても難しいとわかりました。データ活用を前提としたSaaSは、顧客ごとに基礎分析をしなければ前に進みにくいということがわかりました。PoCで止まったり、オンライン営業がうまくできませんでした。

そもそもの技術の相性と導入方法からSaaSのような方法ではなく、PaaSのような仕組みで導入を進めていかなければスケールできないという市場構造が理解できました。

2.DATAFLUCTはどんな会社か

あらためて私たちは何者か、どこにいきたいのかを、整理するために、簡単に自己紹介させていただきます。

DATAFLUCTとは、

ビッグデータ活用を軸とした、データサイエンス・スタートアップスタジオです。

私は衛星画像、気象、通信、IoT、POS、移動などの様々なデータを活用して、様々な産業へのデータ活用を、リーダーシップを持って進めていく会社DATAFLUCTを経営しています。

DATAFLUCT

VISION: データを商いに。

その手段として、様々な技術・サービスを自ら開発し、同時多発的に複数の産業にデータ活用サービスの提供を行っています。

世の中には埋もれた莫大なデータがあり、今後、ますますデータが爆発的に広がっていくという社会背景に、

データを商いに。

というビジョンを掲げています。

様々な非構造データ、それらの価値が刺さる様々な業界向けに1.データプラットフォームの構築、2.ビジネスアナリティクスサービスの構築、3.データ活用事業開発の三つの活動によって様々な業界に同時に展開しています。

さて、多くの人からいただく質問は次の通りです。

なぜ、様々な産業に同時参入する必要があるのか?

DATAFLUCTは「データを商い」にというビジョンを実現するために「全体最適のアルゴリズムを社会実装する必要がある」というミッションを掲げています。社会全体という大きなものを本気でターゲットにしています。

社会システムの全体最適という頂を目指すためには、どこよりも安く提供できなければインフラになれないインフラのように使いやすくするために、簡単に使えるように技術のブレイクスルーを実現しなければならない、という多層のミッションがあります。

それって大手企業がやることでは?って思うかもしれませんが、スタートアップだからこそ、リーダーシップをもって取り組めると考えています。

という流れで、

「データの世界で世界を一つにする」

という着想にたどり着きました。

不動産業界・食品業・小売業・サービス業・金融業・物流業など、私たちがいきていくために必要な産業は、バラバラな業界として区切られています。商慣習も人材も情報も途切れています。

コンサルの人たちが デジタルツイン だとか、Society5.0だとか、といっているにもかかわらず、業界間でデータを連携して、社会の全体最適を目指す、という取り組みは、掛け声こそ多くあるものの、本気の実装は一つも見当たりません。

業界をまたいだデータ連携による良い効果は、あまりに知られていないことです。しかも、DX人材の流動性が低くて、まずは、自分たちの業界・自分たちの会社のことだけにデータ活用を進めてきたのが、日本社会の実態でした。

なぜ、様々な産業に同時参入する必要があるのか?

その答えは、

社会システムの全体最適のためには、全ての領域のデータをつなげる必要があったから

ということになります。そのビジョンを描き、2020年にはたくさんのサービスをローンチしてきました。プロダクトを様々な業界に届けることで、データを手に入れることができました。そういった意味ではビジョンに向けて少し前進した2020年だったと言えると思います。

しかし、コロナの時代はあまりにも過酷でした。with/afterコロナという時代にどのようにしてビジョンの実現に進めていくべきか、ということを日々考えています。

3.事業撤退とDXフォーカス

少なくともDATAFLUCTは、スタートアップスタジオという側面もあり、爆発的に事業を作る一方で、撤退も数多くやっていくスタイルをとります。

今回は、約半分の事業の撤退を決めました。撤退基準は「新しい顧客がいるか(増えるか)」、そうではないか、です。

数社程度の顧客がいる場合は、結局、SaaSになりえないので、DX案件化をして、事業撤退を進めます。その過程でプロジェクトチームを解散し、また新たな人が入り、古い人がやめていくという循環が始まりました。

事業をたくさん作って撤退することの労力とストレスは物凄いものですが、もう新規事業作り続けて、撤退を続けて10年以上経つので、撤退時の感情というものはなくなりました。どちらかというと、新たな仮説が発見できた。やっぱり違った、ここは正しかった、という試験の問題の答え合わせをしているような感覚です。

スタートアップの経営者としてはバーンレートを見ていかないといけない中で、どこまでチャレンジできるのか、というギリギリのラインを決めて、チャレンジをしていますが、どれだけ年をとっても私は、起業家であり、自らの事業仮説を検証してみたくなるのでした。

どの事業を撤退するかは近々発表する予定です。

それでは、

2021年は何にフォーカスするのか

現時点で進めていくのは、

企業内データ活用(DX)か、 SDGs系か

の2方向のみになりました。

・社内データ活用(DX)=機械学習プラットフォームを通じて、様々なデータやアルゴリズムや技術を企業に提供する。

・サスティナブルDX=持続可能な社会を実現するためのデータサイエンスサービス開発(フードサプライチェーン、スマートシティ、不動産・モビリティ・エネルギー・都市開発・脱炭素など)

DX推進の事業領域も、不動産・金融・食品・小売・物流など弊社がそもそも実績のある領域から仕掛けていくことにきめました。

例えば、食品業界では、生産者・流通・物流・小売・飲食業をつなぐために様々な業界のアルゴリズムを作り始めました。それらの大手企業と組んで地道に進めることになりました。今は、日本を代表する流通小売や倉庫などの会社と組んで事業展開を進めています。

また、東京都の食品廃棄ロス削減のプログラムにも採択され、食品に関するビッグデータ事業の開発を進めています。農業と小売の自動発注の仕組みを弊社は保有しています。その中で、食品スーパー向けの仕入れに必要な食品の情報を把握できるサービスの開発を行っています。これまでのプロダクトのピボットです。

参考:東京都の「『ICT等を活用した先進的な食品ロス削減』に向けた新たなビジネスモデル事業」に、DATAFLUCTが選定 / DATAFLUCT

例えば、不動産業界では、不動産デベロッパーと組んで、スマートシティ領域、不動産テック領域で2サービスを同時に開発しています。店舗支援ビジネスが全く振るわなくなったので、施設やまちづくりの方に事業の重心を変えるようになりました。

参考:デジタルガレージ運営のスタートアップ育成プログラム『Open Network Lab Resi-Tech』 第2期に2事業 / DATAFLUCT

まとめるとこんな感じです。

DATAFLUCT の事業領域

私にとってのDXフォーカスという戦略変更は、営業先の変更ということになります。これまでは、データの恩恵を受けるエンドユーザー(事業)部門だったのが、これからは実際にデータを分析する部門(データ基盤運用部門)ということになります。要するにデータサイエンティストやデータエンジニアがいる部署)に重点的にサービス提供を行うという方針変更をしました。

様々な事業展開で見えてきた手応えがあります。

この半年間で

・DFのデータ活用技術は多くのデータ活用部門でもとても有用であることが検証できた。

・DXブームを背景に多くの会社がデータ活用に乗り出している。

・強いライバルはほとんどいない。(いても高い)

という事実見えてきました。

そこで、これまでSaaSとして作っていたものをバラして弊社のプラットフォーム上で疎結合で使えるようにしていきます。機械学習プラットフォーム戦略です。すべてデータサイエンティスト向け(プロ仕様)に作り直して、機械学習プラットフォーマーとして事業領域をフォーカスしていくことになります。

便利なツールとサービスを同時に届けることで多くの会社のDXを支援する

そういう考えを持つようになって最初にやるべきことは何か、考えていました。データサイエンティスト集団として、自分たちが欲しいものを作ろうと考えました。それは、マルチクラウド の機械学習プラットフォームだったのです。

4.まずは、マルチクラウド AutoMLにフォーカス

第一弾として先週リリースしたのがマルチクラウド AutoMLのCloud-terminal.です。いろんなクラウドサービスが乗り入れているイメージからこのプロダクト名にしました。

『DATAFLUCT cloud terminal.』

正式版を月額50,000円から提供開始/マルチクラウド環境で最適なAutoMLモデルを簡単・スピーディーに構築できる機械学習プラットフォーム

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000046062.html

事業をやっている人というよりも、データ活用の現場にいる人向けのサービスなので、とてもニッチに思えるかもしれませんが、Auto MLという市場は今後どんどん拡大していくと思います。人力のデータサイエンティストの活躍はますます広がっていくでしょうが、その多くは自動でなんとかなるものばかりだったりするのです。それくらいautomlは急速に進化しています。

届けたい人は、機械学習に詳しくないが、DMPの導入を推進したキーパーソンです。(是非紹介して欲しい!!!)

おそらく

  • 一つのクラウドしか使っていない

という課題があります。

DATAFLUCTでは、

どこよりも安く、マルチクラウド が使える

どこよりも安く、AutoMLが使える、

という価値を提供します。CSVデータをアップロードするだけでめちゃくちゃ精度のいいアルゴリズムを自動で構築してくれます。しかも、たった5万円で。

さらに、

  • 他のクラウドに契約しなくてもいい。Azureユーザー、AWSユーザーがterminal経由でBigQueryが使える(めっちゃはやい、プラグイン多い、日本語のドキュメントがある)

というメリットもあります。

めっちゃシンプルなサービスですが、このサービスを皮切りに、企業のデータ活用のDXを前進させていくためのツールをどんどん開発していこうと考えています。

2021年も応援よろしくお願いします。

datasciece for everybusiness! a Venture Builder DATAFLUCT CEO / JAXA J-SPARC producers /ex-Nikkei,Recruit,MACROMILL,Benesse.

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